中学生の頃、とにかく私は目立っていました。

  学校の成績は悪く、スポーツもそれほど万能ではなかったのに、

  特異な個性があったせいか、学校全体で目立っていました。

  するとその期待に応えようとするのが、人情というものです。

  いつの間にかナルシストっぽくなり、自意識過剰になり、

  本当に毎日がキラキラと輝いていました。

  しかし、高校生になると急変し、目立つことはダサイことと、

  勝手に解釈して闇の期間に入りました。

  世の中の複雑な構造など、何も知らずにつっぱってカッコよく生きていけば、

  そこに何かあると思い込み、ただ、感情をむき出しにしていたあの頃・・・。

  もっと肩の力を抜けば楽だったと思います。

  高校を卒業後は転々としていました。そしてたどり着いたのが今の仕事です。

  ただ、ここから訪れた厳しい下積み時代は、

  ハングリー精神を養った時期になりました。

  「やる気ないんやったら来るな!!」などと、ののしられた日々・・・。

  しかし、逆境を乗り越え、あらゆる経験をこなし、

  少しずつ周囲に認められるようになりました。

  しかし、残念ながら、いい評価ばかりではありません。

  今でもプロの方からは厳しい意見が聞こえてきます。

  「普通」とか、「大したことない」とか、

  こうした意見を聞くたびに、私の自信はみるみる青ざめていきます。

  こういう時は処方箋を求めるように、

  ほめ言葉を言ってくれる人のところに居場所を求めていきます。

  そして私は再び、そのほめ言葉に酔い、自信を取り戻していきます。

  アトム健児の歴史は坂を転げ落ちたり、

  はいずり上がったりのくり返しのようでした。

  コロナ後は原点に戻ってしっかりとクオリティーの高い

  パフォーマンスを提供したいなと心から感じる日々です。


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  短いほめ言葉が、

  人生をリードしていく。